深岩石の謂れは、明治9年に廃寺となった岩本神社の深岩観音象にちなんだものであろうと推測されています。
観音象は、大芦川左岸の残丘状の凝灰岩山地に位置し、その姿は、山腹の洞窟の中にある観音堂に納められています。
石切場としての歴史は、遠く天保年間(1830~1843)まで遡り昔は地元、鹿沼市をはじめ旧例幣紙街道の北は日光から、南は栃木市近辺で石蔵・石塀・土留め・建物の基礎などに多数使用され、現在「石蔵」等は建築当時そのまま今も活躍中です。
戦後交通機関の発達により北は福島県会津地方、南は神奈川県鎌倉方面で使用される。
特に鎌倉霊園には大量の深岩石が使われました。
宇都宮市大谷町で産出することから大谷石と呼ばれています。
旧帝国ホテルに使用され一躍有名になりました。
採掘時は、青味を帯びた色をしていますが、水分の蒸発に伴い茶褐色に変化します。
栃木県北部で採石される。
深岩石 | 大谷石 | 芦野石 | |
見掛比重 | 1.55 | 1.36 | 2.14 |
吸水率 | 19.71% | 27.28% | 7.1% |
圧縮強度 | 25.9N/mm2 | 14.9N/mm2 | 55.3N/mm2 |
曲げ強度 | 3.6N/mm2 | 2.5N/mm2 | 5.7N/mm2 |